みやふきんの見聞録

見聞きしたり感じたものを記録するブログ

記憶は失われても残るもの〜図録から想いを巡らせる

20代の頃から美術展を見始めた私。今回は図録から展覧会について語ってみようと思う。

過去に私が買った図録は20冊。

いよいよ置き場所に困ってきている。

普段はあちこちに置いているのを、ひっぱりだしてきて、積んでみた。

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若冲のぶ厚さが半端ない!

バベルの塔展もそれなりに!

 

ひとまず、おおむね年代順に語ってみたい。

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1994年  堺市博物館での「アルフォンス・ミュシャ展」

展覧会のチラシに関西国際空港開港記念ってある!保存状態が一番良くない。シミもいっぱいある。

当時、同人誌サークルで仲良くしてもらっていた方と一緒に観に行った。

堺市は今はミュシャだけの美術館を持ってるけどこの頃はまだなかった。1999年に堺市文化館ができて、そちらにミュシャ与謝野晶子の資料を移され、2015年に与謝野晶子の資料が「さかい利晶の杜」に移されたので、今はミュシャ館となっている。小規模ながらいつでもミュシャを観れるのはいいな、と思う。 

堺市文化館 堺アルフォンス・ミュシャ館

 

1995年 ナビオ美術館での「ヴンダーリッヒ展」

ナビオ阪急にあった美術館で今はHEPナビオという商業施設になり、美術館もなくなっている。

このヴンダーリッヒ展は巡回展で全国5カ所を回ったみたい。以降、ヴンダーリッヒ展は2001年に関東の方であったようだけど、あまり日本では馴染みないアーティストかもしれない。

死とエロスを彷彿させる版画が、今図録を見てもいいな、と思う。

これも当時仲良くしてもらっていた人と行った展覧会。もう今は連絡を取ることもない人となってしまった。 

https://plginrt-project.com/adb/?p=14518

 

1995年 なんば高島屋での「ロバートメイプルソープ展」

この時はまだおつきあいしていた、今は夫である人が好きな写真家さんの展覧会だから、一緒に出かけた。モノクロームの写真。写真を見て鳥肌が立つというのは、この時だけだったかもしれない。どの写真で、かは覚えてないけれど。

2017年には東京で展覧会があったよう。さすがに有名なので、たびたび話題になるのだな。

ロバート・メイプルソープの回顧展がグッゲンハイム美術館で1年にわたり開催へ|美術手帖

 

少し年代が前後するけど

1999年 なんば高島屋での「ねこのダヤン 池田あきこ原画展」

はじめて池田あきこさんのダヤンの原画をたくさん見ることができて、すごく興奮したのを覚えている。高校生の頃に友だちがダヤンのステッカーをカバンに貼っていてダヤンを知ったけれど、私自身がハマったのは社会人になってから。革製品をたくさん揃えた。これ以降、機会があれば「ねこのダヤン 池田あきこ原画展」には行っている。今までで5回。

猫のダヤン35周年 ダヤンと不思議な劇場 池田あきこ原画展 公式ウェブサイト|トップページ

 

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1995年 近鉄百貨店 阿倍野店 近鉄アート館での「マックスフィールド・パリッシュ展」

大学時代の友人に誘われて行った展覧会。日本では3ヶ所の巡回展だったみたい。デザイン的であり写実的で、なおかつとても綺麗な色彩に、見た瞬間に大好きになった。あまり知名度がないのが信じられない。ミュシャがこれだけ日本人に受け入れられるなら、パリッシュもまた受け入れられてもいいと思う。これ以降日本では一度も展覧会がないのは本当に残念。

マックスフィールド・パリッシュ展 | 株式会社ブレーントラスト

 

1996年 新梅田シティミュージアムでの「人体の不思議展 からだ=未知なる小宇宙」

リアルな人体展示というの、とにかく見てみたくて、友人と出かけた展覧会。

これ以降、そういうの、ほとんど見ていない。少し興味を失っている(笑)。

調べたらこれ以降の展示ではさらに触れるようになっていたり、立体的だったりするらしい。

 

2000年 京都国立博物館での「若冲展」

この頃から注目されだした若冲。たぶん私もテレビか何かで見て、行ってみたくなったんだろう 。とにかくすごいボリュームだったことは覚えている。

 

2001年 京都高島屋での「神様のかくれんぼ 与勇輝展」

与さんといえば妖精の人形のイメージがなぜかあったのだけど、着物の子どもたち中心のこの展示は、人形の表情が印象的だったと図録を見返して思い出した。

あちこちで展覧会があるようで昨年もやってたみたい。

与勇輝展

2004年 米子高島屋での「石井美千子 昭和のこどもたち 人形展」

わりと人形が好きな私。米子市に暮らしていた時は、なぜか人形展に縁が多かった。石井美千子さんの人形は素朴で表情豊か。そして昭和の風景が切り取られていて、懐かしかった。 

人形作家 石井美千子の仕事 昭和のこどもたち公式HP

 

2006年 米子市で 会場不明 「故郷からのおくりもの 高橋まゆみ創作人形の世界」

 高橋まゆみさんの作品もまた表情豊かな作品。おばあちゃんが中心の作品でほっこりした記憶がある。

tan-探-探求探訪 人形作家 高橋まゆみの世界

 

2009年 鳥取県立博物館での「前田昭博 白瓷の造形」

チラシの器の写真を見て行こうと決めたと思う。とにかく美しかった。あまり普段は器に興味あるほうではないのだけれど、白い器の、少し青みがかった、藍白とも呼べるような色合いの、そして面が美しい造形のかたちが、とにかく良かった。

この方、人間国宝だと検索して、今、知りました! 2013年に認定されたとか。

白瓷 前田昭博|作品

 

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2014年 大丸神戸店 大丸ミュージアムでの「ダヤン誕生30年 ねこのダヤンと不思議の国 池田あきこ原画展」

以前みた原画展からずいぶん経っていて、見たことのない絵が増えていたので購入。

今も相変わらずグッズは購入しているが、値のはる革製品を買わなくなってきた。

 

2017年 国立国際美術館での「バベルの塔展」

ヒエロニムス・ボスの作品があったのがなにげに嬉しかった。展覧会ではバベルの塔の絵にたどり着くまでが長い道のり(笑)。塔の絵は細か過ぎて、これは図録を買って見るしかないと思った。

https://www.nakanoshima-style.com/walk/3579

 

2018年 あべのハルカス美術館での「ミラクル エッシャー展」

エッシャーの絵自体がデザイン的であるからか、図録もデザイン的でとてもシンプル。

一緒に行った友人も私もエッシャーの風景画が気に入っていた。風景画はポストカードがなくて、図録を購入。

ミラクル エッシャー展 公式ホームページ | 見どころやチケット情報など

 

2019年 神戸ゆかりの美術館での「ヒグチユウコ展 CIRCUS」

図録兼画集は書店販売のバージョンと展覧会販売のバージョンがあって、私は展覧会の方を選んで購入。それにはわけがあって、一部のページがそれぞれで違っていて、展覧会の方は夢野久作原作の「きのこ会議」をヒグチさんが描いているというので、迷いなくそちらを選んだのだった。夢野久作ときのことくれば、買わないわけにはいかない!

ヒグチユウコ展 CIRCUS [Higuchi Yuko CIRCUS]

(展覧会の内容は私の過去記事に詳しくあるので、そちらもどうぞ)

ヒグチユウコ展CIRCUS ( 神戸ゆかりの美術館)へ行って来ました! - みやふきんの見聞録

 

2019年 えきKYOTO美術館での「ショーン・タンの世界展」

そろそろ置き場所がなくなってきたから、と会場では図録を買うのをやめたのに、やっぱり欲しくなって通販で購入した図録。作品はどれもこれも好きなものが多かった。私はショーン・タンを絵本で知った。まだ若いのでこれからどんどん活躍するのだろう。

ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ |

 

展覧会へ行かなかったけれど通販などで購入した図録

①2017年 ビクトリクス・ポター生誕150周年 ピーターラビット

装丁がもはや書籍。展覧会へ行けなくてもこの図録を見るだけでも十分満足できた。

ビアトリクス・ポター™生誕150周年 ピーターラビット™展 | Bunkamura

 

②2008年 京都国立近代美術館 没後10年 下村良之介展

2019年の神戸BBプラザ美術館での展覧会に向けて、図録はなさそうなので、通販で購入。購入して正解。BBプラザ美術館では薄くても充実したパンフレットはあったので、悪くなかったが、図録の方には私が好きなシリーズ「月明を翔く」が何点かそれなりに載っていた。

「日本画」再考への序章 没後10年 下村良之介展|京都国立近代美術館

 

③2012年 国立国際美術館宮永愛子 なかそらー空中空ー」

展覧会公式カタログでもありつつ、作品集という書籍でもある。このアーティストの存在を2019年の「数奇景/NEW VIEW 日本を継ぐ、現代アートのいま」展で知ったので、展覧会に行けなかったことが悔しすぎて、購入。作品集からでも作品の存在感を感じられて、満足。

国立国際美術館で「宮永愛子:なかそら−空中空−」展-時間と共にうつろい、記憶に残る芸術 - ファッションプレス

 

番外編(画集だけれど、展覧会の図録とセットで置いているヒグチユウコさんの「BABEL」)

バベルの塔展の開催が決まってから、描かれたオマージュ作品画集。サイン本が近くの大型書店にあるというので、電話で取り置きをお願いして慌てて買いに走った。

ボスとブリューゲルの世界をヒグチユウコさんの世界観で描かれた作品は、どちらも好きな私としては買うしかなかった。本当はTOBICHI京都に原画展を見に行きたかったが、日程的に無理だった。

ヒグチユウコ原画展@TOBICHI - ほぼ日刊イトイ新聞

 

以上、図録を通して展覧会を振り返ってみた。

買わなくて後悔した図録はひとつふたつあるけれど、買って後悔したのはないな、と思った。これからも大切に保管し続けよう。保管場所をどうするかは今後も課題だけれど。