みやふきんの見聞録

見聞きしたり感じたものを記録するブログ

真夜中から遠ざかって

ほぼ一週間くらい前から、書きたい気持ちはあった。きっかけはたぶんラジオへの投稿で、「私の青春」というテーマについて書いたことだろうと思う。大学の部室で先輩や後輩といろんな話をして日が暮れていき、部室の窓から見える高速道路の車の光の連なりを、きれいだと思ったあの頃が、私の青春だというような内容だった。

大学で文芸部に入った私は、ほぼ同時期にクラスメイトに誘われて、同人サークルにも入った。文芸部でも同人サークルでも文章を書き、コピー本作りを目の当たりにした。素敵な世界だと思った。文芸部の先輩たちに教えてもらって部誌(コピー本)を作り、同人サークルで出会った人に誘われて同人誌即売会に行くようになった。急に世界が広がった気がして、楽しくて仕方ない日々だった。

大学四回生の頃、もうすぐなくなってしまうこの環境がさびしくなり、自分でもサークルを作ろうと思った。同人サークルで親しくなった人と一緒に漫画雑誌で会員を募って、小説とイラストのサークルをはじめた。

最初の3号まではコピー本だった。文芸部直伝の作り方で作ったけれど、ページ数が多くて苦労した(20年以上たった今でもばらけたりせず、形が残っているのはすごいと思う)。

コピーは大量。真夜中にスクーターを走らせてコンビニまで行っていた。コピーの途中、店員さんに紙の補充を頼んだこともよくあった。紙の束をもらったら、側面から息を吹きかけて空気を含ませてからトレイに入れたりもしていた(そうすると紙送りがよくなる気がして)。製本作業も深夜だった。幼なじみを巻き込んで、早朝まで作ったりもした。紙を折って貼ってステープラーでとめて、表紙の紙を貼り付ける。単純作業は嫌いではなかった。

 

もうそんな真夜中の時間は私にはない。

結婚前に同人サークルはやめていた。

出産後は子育てのために朝型の生活になった。真夜中の町をスクーターで走ってコンビニまでコピーをしに行ったり、会誌の発送のために中央局の郵便ポストに投函しに行ったりもしない。

(そこへ投函すればより早く届くと思っていた。また不足する切手を中央局にある切手自販機で買って、その場で貼り付けたりもしていた)

 

すべて私の記憶の中、素敵な過去として、引き出しにしまわれている。ふとした瞬間に引き出して中を眺めては、懐かしく思う。

それが今回だったという、それだけの話。

歳を重ねると思い出話が増えていくものなのかもしれない。

聞かされる方に、またかと思わせないように、たまに、がいいのだろうと思う。

 

これ、たまに、になってますよね?