「老い」を生きることについて
ブログのタイトルがいきなりな感じですが、私が利用者さんに言ったことを振り返って考えたくなったので、ブログに書くことにしました。
守秘義務があるので、利用者さんのことは書きません。高齢者であることしか。
私はホームヘルパーの仕事をしています。いつのまにか10年が過ぎました。
その中で何度も聞いてきた言葉があります。
「歳をとるって嫌だね。〇〇もできなくなる」
その〇〇にはいろんなことが当てはまります。
老いていくことでできなくなることはたくさんあります。
私は利用者さんに言いました。
「いつまでも何でもできている方が怖くないですか? 人はみんな老いて死んでいくもの」
そのあとに本当は続きがあるのです。その続きこそが大事なことなので、伝えられなくて、意図が伝わらなかったかもしれないと、とても後悔しています。
「老いて、できなくなってしまったことが多いなかでも、今、できることを精一杯頑張っている姿に、私は力をもらっているのです」
私は高齢者を支援する仕事をはじめから志願したわけではありませんでした。
社会福祉の仕事をすると決めた時は、障害者の支援をしたいと思って、ずっとその仕事を探していました。
でも、登録していた福祉人材センターから、高齢者を中心とした仕事があるからどうか?と紹介してもらった時に、やってみようと思った、そのことが高齢者支援に関わるきっかけになりました。
高齢者の状態は決してよくなるわけではない。よくて維持。むしろ悪くなっていくことの方が多い。その中で寄り添っていくことのモチベーションがなにかと問われたら、その人の生き様に触れられる瞬間を見出せることかもしれません。老いていく今において、どう過ごしていくか。それを垣間見ることで、私はその人から力をもらっている気持ちになります。
ちゃんとそれを伝えられるようになれたら、と思うけど、なかなかタイミングがないのです。
だからかな、私は「すごいですね」を連発して言っているかもしれません。そして今まできちんとされてきたからこそというようなこともよく言っています。それは家の中を見ればすぐにわかりますから。
私もいずれ老いていく。
できていたことができなくなっていくことを、その時ちゃんと受け止められるのかな?と思いますが、私自身もその時にできることを精一杯頑張る自分であれたらな、と思います。