みやふきんの見聞録

見聞きしたり感じたものを記録するブログ

あの橋を渡れば(若き日のレンタルショップの思い出)

 素敵なコラムに出逢った。

 そのコラムはこちら↓

https://www.pintscope.com/column/yuki-fukutomi-08/


 そのコラムを読んで私自身が若い頃通っていたレンタルCDショップの記憶がよみがえってきた。

 というわけで、そのレンタルCDショップにまつわる記憶を記しておこうと思ったのである。


 私が住んでいた町は、商店街に古い街道が通っている田舎町だ。年月が経つにつれ、町から店がなくなっていった。私が大学生になる頃には、おもちゃの店も書店も時計店もなかった。

 そんな町に当然CDショップはなく、レンタルCDショップもなかった。川の向こう岸の隣町まで行かなければ、それらはなかったのだ。

 隣町へ行くにはそれなりに大きな川にかかる割に道幅の狭い橋を渡らなければならなかった。歩けば1時間近くかかってしまう距離だから、高校生の私には隣町までの移動手段は自転車しかなかった。歩道は狭く、車が歩道ぎりぎりをビュンビュンと飛ばしていく。風など吹こうものなら、煽られて、車道側へ飛び出しそうになるのを必死で立て直して自転車を漕いでいた。できればその橋は渡りたくないから、レンタルCDショップへはそんなに頻繁には行ってなかった。けれども危険をおかして、あの橋を渡ってしばらく走った先には、音楽があった。好きなアーティストが雑誌でオススメしていたアルバムだとかを借りては、CDラジカセでカセットに録音して聴いていた。その頃私が聞いていたのは、スティービーワンダーのモータウンレコードの時代の曲が中心だった。

 隣町の小さな雑居ビルにあったそのレンタルCDショップは、チェーン店ではなくこじんまりとしていて、店にいる人もそんなに多くはなかったが、その空間に行くと、心地よい緊張感を感じられてよかった。そのお店は、私が大学生になる前にできたTSUTAYAの影響を受けてか、いつのまにか無くなっていた。TSUTAYAの方が魅力的に感じられたのは確かだった。店の規模は2倍で、おしゃれな感じがしたからだ。

 私が生まれた町を出て別の場所で暮らすようになるまで、TSUTAYAには通った。でも、懐かしく思い出すのは、あの橋を渡って、怖い思いをしながらも自転車で向かった小さなレンタルCDショップなのだった。きっとそれは、音楽に対する興味がどんどん広がっていこうとするその最中にあったからだと、今は思う。

「介護殺人 ー追いつめられた家族の告白ー」を読んで

 この本を読むきっかけは、Twitterでタイムラインにあがってきた敦賀の介護殺人の判決結果についてのつぶやきだった。

 敦賀の介護殺人というのは、2019年、夫と義両親を一人で介護していた70代女性が、介護に疲れて三人を殺害したという事件で、2021年1月に判決結果が出た。求刑懲役20年に対し、18年の判決だった。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210105/k10012798421000.html


 まず感じたのは、なぜ誰の助けも借りずに三人も介護していたのかという疑問だった。

正直、一人の介護でも大変なのに三人は無理だと思った。制度を知らなかったのか、知っていても使えない理由があったのか。

 その疑問から、この「介護殺人」の本に辿りついた。


 この本は2016年に発行。毎日新聞のコラムで反響の大きかった介護をめぐる悲劇について、企画報道で取り上げることになり、介護殺人の加害者とその関係者を取材することになったと本のはじめに書かれている。

 取材がとても大変だっただろうことは容易に想像がつくので、このような本が出されること自体、とてもすごいことだと思う。取材班の想い、語ってくれた方の想いをしっかりと受け止めて読もうと覚悟してページをめくった。


 本の中の個々のことにはあえてここでは触れない。とにかくぜひ目にしてほしい。

https://www.shinchosha.co.jp/book/101291/


 本を読んで私が感じたのは、やるせなさだった。介護をせざるを得ない、あるいは愛ゆえにしてやりたい気持ちが、自分の時間をなくして、不眠になる。貧困でお金がなければ制度も使えず、自分でやるしかないと追い込まれてしまって、どうしようもなくなり、そして魔がさす。

 私は普段ヘルパーとして働いているので、介護する支援をしている役割なのだけど、仕事で、しかも各サービスは1時間程度の短時間しか関わらないので、続けられるのだと常々思う。ずっと介護している家族は、孤独で、本当に大変だと思う。

 支援者は何かできることはなかったかと、思うのだろうな。でも、できることはやっぱり限られているというのが現実だと思う。

 制度のなかでしか支援できないし、介護保険の上限額を超えてしまうと、全額自己負担では厳しい。

 行き詰まりの中で、見いだせる希望はないのか。

 この本にも書かれている、同じ体験をしている人の集まりがひとつの希望ではあるだろうとは思った。

 ひとりではないということ、相談できること、誰かに助けてもらいながらも、また頑張ろうという力を自分の中から出していけるのは、同じように苦しんでいる人同士の気持ちの交わりの中から、生まれるような気がする。


 いろんな病気の家族会があるように、介護者の集まりもあるらしい。本にも紹介されていたが、男性介護者だけの会が各地にあるようだ。女性に比べてたぶん男性は助けを求めるのが苦手だと思う。だからこそ、こういう集まりが大切だと思った。


 下にリンクを貼るのは、「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」というサイト。

https://dansei-kaigo.jp/


 支援をしてもらうのがあたりまえ。自分だけが介護を担うなんていうことのないような世の中になってほしいと願う。




今月のお酒(2020年11月)

 

ひさしぶりに今月のお酒を紹介します。

最近飲んでいなかったわけではないのですが、プライベートのことで手一杯で、こちらをサボっていました。でも、今月に飲んだお酒は絶対に紹介しておきたいと思ったので、重い腰をあげることにしました。

 

 

さて、今月のお酒は、

長野県諏訪市にある酒造会社(株)舞姫「PRINCESS TIME 純米吟醸酒です!

 

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女性の醸造家が女性のためにと考えて作られたお酒とのことで、ボトルの色も綺麗でラベルデザインも素敵です。味の方も飲みやすいです。甘すぎず、酸味も強すぎず、フルーティーで飲みやすいお酒です。価格がお手頃なのもいいですね。

このお酒、私が飲んだのは昨年醸造されたもの。今回調べてシリーズ展開されていることを知りました。低アルコール度数のSWEET&SOURも気になるところです。

↓こちらに商品紹介が載っています。

商品紹介 信州舞姫 株式会社舞姫 | 株式会社舞姫

 

実は私が頼りにしていた生協の宅配で、徐々に地酒の取り扱いが少なくなってきました。カタログに掲載される確率が減ってきています。

そろそろ地道においしい地酒を開拓しなくては、と思っています。ネット検索しまくることになりそうです。

 

 

六甲ミーツ・アート 芸術散歩2020へ行ってきました

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秋晴れの10.24(土)、六甲ミーツ・アート芸術散歩2020というイベントへ行ってきました。

2009年から開催されている現代アートの展覧会で今回で11回目。招待アーティスト16組の作品と公募で選ばれた28組の作品を見ることができます。鑑賞パスポートは有料の6つの施設へ入場当日は再入場できるうえ、別の日にすでに入場した1つの施設に限ってもう一度入場できるお得なもの。1日にすべて入場しなくても別の日に何回かに分けて施設へ入場することもできる。

私は前売を購入(大人2200円)。

乗車券付き鑑賞パスポートというのもあり、そちらは六甲ケーブル往復と六甲山上バスの2日間乗り放題がついているのもある。それは鑑賞パスポート料金+1370円。

 

私は、六甲山へのアクセスのために「六甲・まやレジャーきっぷ」を使いました。阪急版と阪神版があるこの切符、阪急や阪神で六甲まで来る方にはとてもお得。六甲駅あるいは阪神御影駅までの電車の料金、六甲ケーブル下駅までの市バス料金、六甲ケーブル往復と六甲山上バス乗り放題、六甲摩耶スカイシャトルバス、摩耶ロープウェー摩耶ケーブルに乗れる。一日では使いきれないほどです。(六甲山上と摩耶を同日に行くのはなかなか難しい)

六甲山上バスはチケットを見せるだけでいいので、小銭を使わなくてすんで楽でした。

 

さて、本題。

今年の会場は全部で12会場。他にJR新神戸駅有馬温泉エリアにサテライト会場があります。

私はサテライト会場は回らず、メインの12会場のうち、10会場をまわりました。行けなかったのは六甲オルゴールミュージアムと六甲山カンツリーハウス。

 各会場へは六甲山上バスと徒歩での移動です。バスの時刻を考慮しながらなので、なかなか大変です。バス時刻表は公式のページから写メしておき、いつでもすぐに見れるようにしておきました。

 

私が回った順番は以下の通り。

 

六甲ケーブル山上駅

記念碑台

六甲サイレンスリゾート

六甲ケーブル山上駅の天覧台(昼食)

六甲ガーデンテラス

六甲枝垂れ

風の教会

六甲スカイヴィラ 迎賓館

グランドホテル六甲スカイヴィラ

六甲高山植物

六甲有馬ロープウェー六甲山頂駅

六甲枝垂れ(ライトアップ)

六甲高山植物園(ナイトミュージアム

 

各場所についての混み具合などの所感。

六甲ケーブル下駅へ行く市バス、阪急六甲駅から乗りましたが混んでました。六甲ケーブルもやや混み気味。記念碑台と六甲サイレンスリゾートは少なめ。六甲サイレンスリゾートでの作品鑑賞時間は11:00からなので、早く着きすぎて開場を待ちました。並んでいたのは数組。六甲ガーデンテラスは混み気味。六甲枝垂れもまあまあ人はいる。風の教会はそんなに多くない。六甲スカイヴィラは会場内が狭いので入場制限はあったが、すぐに入れた。会場内は10人程度かな?グランドホテル六甲スカイヴィラは少なめ。六甲高山植物園は広いので、人が散らばっている感じ。ガーデンテラスから有馬ロープウェー六甲山頂駅までは徒歩7分程度。六甲有馬ロープウェー、乗り場には人の行列。展示場所には数名程度。私が行った日はアーティストが在廊されていたらしい。

10月17日から植物園とオルゴールミュージアム六甲ガーデンテラスエリアでナイトミュージアムが開催。10月は土日のみ11月は会期終了まで毎日。六甲枝垂れのライトアップは17:00頃からかな? 植物園とオルゴールミュージアムのナイトは平日は18:00受付終了。土日は19:00受付終了。ガーデンテラスからバスに乗ろうとしたが混んでいて乗れず、植物園まで徒歩で15分くらい。植物園では提灯を貸し出してくれる。時間がないので借りなかった。六甲ケーブル山頂駅へ向かう帰りのバスもギュウギュウ詰めでした。

 

以降は、作品についての所感。エリアごとに分けて書いていきます。☆印が招待アーティスト。

 

(1)六甲ケーブル山上駅

ケーブルに乗る際にフライヤーが置いてありました。降りたところにもあります。六甲ケーブル山上駅に展示されているアーティストの紹介が書いてあります。

ドイツのブレーメンで活動する「ギャラリー・ヘロルド」のアーティストたちの作品だそうです。

 

私にとってはあまりよくわからない感じでした。

階段の壁にあった椅子の写真は印象に残っています。マリオン・ボーゼン氏の作品。


六甲ケーブル山上駅は近代化産業遺産に登録されているようです。1932年開業。なかなかレトロな建物です。

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(2)天覧台

TENRAN CAFEの外側と店内のテラスに中村萌さんの作品があり、カフェ店内の壁に関連展示としてオクムラミチヨ個展「ことりと…」が10/7〜10/28の期間開催されていました。中村萌さん(☆)の作品は逆光で見辛い感じではあったけれど、作品越しに山の風景があって素敵。オクムラさんの作品はやわらかいタッチと色でやさしい気持ちになれました。カフェ内の作品を見るにはカフェで飲食する必要があります。

私はもともとここで昼食をとるつもりでいました。12時過ぎでしたがすぐに席に案内してもらえました。晴れていたのでテラス席へ。見晴らしが素晴らしいなか、まあまあ手頃なお値段(1200円)でおいしいお昼ご飯(グリルチキンきのこソース。秋限定メニュー)を摂ることができて幸せでした。残念だったのは六甲まやレジャーきっぷを見せたら飲食代10%オフだったのに、帰宅してから気づいたことでした。

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(3)六甲山サイレンスリゾート

1929年開業の六甲山ホテルを2019年にカフェギャラリーとして六甲山サイレンスリゾートとなってリニューアルされた。六甲山ホテルは2007年に近代化産業遺産に登録されていたが、耐震性の問題から閉鎖。古塚正治設計の旧六甲ホテルはミケーレ・デ・ルッキが関わって修復してニューアルされたようです。ギャラリーの一室にはミケーレ・デ・ルッキが各国に建築した建物の写真とスケッチが展示されていました。今後は円形の宿泊棟を建設予定らしい。

また玄関には昔のズボンプレッサーが展示されていて歴史を感じました。

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六甲ミーツアート作品を見るには料金がかかります。チケットを見せるとスタッフが腕に紙を巻いてくれます。それが入場した人の証みたい。

ここでは内田望さん(☆)、中村萌さん(☆)、高橋生也さん(☆)、久松知子さん(☆)の作品が展示されていました。

私の目当ては内田望さん。動物にサイバーパンクっぽい造形で、質感と精巧さにやられました。とにかくカッコいい!

ギャラリーの窓から入る光が作品と相まって素敵でした。

 

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 中村萌さんの作品。木を使われているからか、あたたかみあるし、六甲山というロケーションにぴったりな気がしました。

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 久松知子さんの作品。

ぱっと目につく色彩が印象的。ボードに開けられた穴のむこうに別の作品の一部が重なる仕掛けが面白いと思いました。

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(4)記念碑台

記念碑ってなんの?と思ったら、六甲山開発に関わったイングランド出身の実業家アーサー・ヘスケスグルーム氏の記念碑でした。その記念碑のある高台の原っぱに田羅義史さんの作品、小林夏音さんの作品があります。現代アートらしい、これなんじゃろ?感のある作品。

 

 田羅義史さんの作品。素材は発泡スチロール?f:id:mi8fukin:20201027214810j:plain

 

小林夏音さんの作品。原っぱにあるのが似合う。このままずっとあっても違和感ない感じ。

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 (5)六甲オルゴールミュージアム

 

行けなかったというか、行かなかった。

ムットーニ(☆)のオルゴールシアターが見たかったのですが、WEB予約でかなりの時間が埋まっていたので、混んでいると思って行かなかったのです。ミュージアム建物に入るまでの木道部分まではフリーエリアだったと後で知り、そこだけでも行けばよかったと思いました。

 

(6)六甲高山植物

陽が傾きはじめた頃に園内を回ったので、樹々に光が当たってきれいでした。園内の花を見てまわりながら、作品も見ましたが、私にとってメインは花や植物でした。

アーティストの作品は園内の風景に溶け込んで、独特の世界観でした。

 

史枝さん(☆)の作品。森の中で風ではためいていた布が、どこか異世界感ありました。

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 谷澤紗和子&藤野可織さん(☆)の作品。この世界と別の世界の境界に来たような気分になりました。

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 あとりえナカムラさんの作品。なにものでもないかたち。なにか不思議な感じでした。

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ナイトミュージアム開催中の六甲高山植物

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(7)六甲山カンツリーハウス

こちらにも行きませんでした。とにかく広すぎるので、歩く時間がないかも、とはしょってしまいました。テイクアウトのお弁当を売っている場所もあり、のんびり過ごすには良さそうな場所。

 

(8)六甲ガーデンテラス

バス停を降りてびっくりしたのが人の多さ。六甲枝垂れが近いからか? 飲食店やおみやげ店などもある複合施設だからでしょうか。

 

「自然体感展望台 六甲枝垂れ」は、三分一博志さん設計。総檜葺きの展望台。フレームは檜っぽさを感じなかったけれど、木のような感覚はあった。フレーム越しに見える空がきれいだった。昼に一度、夜に一度見ました。ライトアップして空が暗くなってきたのが17時半頃。暮れていった空の残り火のような明かりと、六甲山から見下ろす街あかりがきれいでした。

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史枝さん(☆)のメインビジュアルの旗は、ベンチのあるガラス展示室(陽室)に本物が、外の六甲枝垂れの前に立っているのがレプリカだそう。今年のポスターのはためく旗を手にしたやつ、カッコいい。なかなかきれいにはためいてくれないので、写真を撮るのは難しい。

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六甲枝垂れの内部、降りていって風穴と呼ばれるところに展示されている上坂直さんのミニチュア作品はぜひ日があるうちに見てほしい。ミニチュア作品の部屋の窓からの借景が素敵だから。風穴自体はわりと暗めなので、写真を撮るのは難しかった。

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この六甲枝垂れがあった場所、2002年までは「十国展望台」という回る展望台があったらしい。六甲ミーツ・アート芸術散歩ガイドというパンフレットに載っていました。

 

六甲ガーデンテラスエリアで見ることができる展示は六甲枝垂れの史枝さんと上坂直さんを含めて6つ。

そのうち1つは有馬ロープウェーへ向かう道の途中、橋の手前の砂利の広場にある大野光一さんの作品。すこし不気味な印象。インパクトはあった。

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六甲ガーデンテラスの見晴らしの塔という建物で、コリー・フラー氏(☆)のアートがある。光と音のインスタレーションなんだろうけど、私にはよくわからなかった。

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灰野ゆうさんのアメフラシはとにかく可愛いい。座れるベンチのもあって、記念撮影にぴったり。灰野さんの作品が展示されているエリアは展望スポットでもある。階段に座って休憩したり、眼下に広がる神戸の街を眺めたりするのにいい場所。

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田岡和也さん(☆)の作品はリトルホルティというショップ内にあった。写真は撮り忘れてしまった。折り紙で描かれた風景画。

 

(10)六甲有馬ロープウェー 六甲山上駅

竹内みかさん(☆)の作品が展示されているのは、休憩室と銘打ってあったが、今は休止されている六甲有馬ロープウェー表六甲線の乗降場だったと思う。駅の名前がセンチメンタルパーク駅になっていて、使われていないロープウェーの車内に詰め込まれたものたちと、天井に吊るされたメロディペットたちが、せつない世界観だと思った。失われていくものを想い出の中で慈しむ感覚があった。ここには夕暮れ時に来たいと思っていて、その通りに来れて暮れゆく光の中で作品を見れて、本当によかった。

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(11)グランドホテル六甲スカイヴィラ

営業中のホテル、グランドホテル六甲スカイヴィラのロビーに展示されている松本千里さんの作品。アーティスト本人が来て形を変えるという日に行ったのに、残念ながらそこには立ち会えず。ロビーにあって違和感のない上品さのある造形だと思った。

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このエリアで最も印象的だったのは、10年くらい閉鎖されていた5階建てのホテル?をまるごと使って展示されている「六甲スカイヴィラ迎賓館」。C.A.P.という非営利活動法人が30名余のアーティストを集めて展示している。一部屋を一人のアーティストが担当。廊下の壁や、階段なども使われている。とにかくボリュームある。私にとっては、いろんなアーティストのいろんな世界観に触れられて、満足感がもっとも高いエリアだった。


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そのなかで気になったアーティストの作品を以下に。


浅山美由紀さんの作品。赤が印象的。まるいかたちだからか、赤でも嫌な感覚を感じない。可愛く感じる。

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マスダケイコさんの作品。鍵鳥という設定が物語を感じて好き。鳥もいろんなのがいて可愛いい。

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八木淳一さんの作品。幻想的なモノクロの絵が素敵だった。

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山下和也さんの作品。黒い壁に色とりどりの文字がいいな、と思った。

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(12)風の教会エリア

風の教会は六甲オリエンタルホテルの庭園内に1986年に建てられた安藤忠雄設計の結婚式用チャペル。ホテルは2007年に営業停止して閉鎖されていたが、2015年の六甲ミーツ・アートで風の教会が展示会場となって、期間限定公開されることになった。2017年にホテルは解体されて更地になったらしい。跡地の砂地を歩いていって風の教会を見る感覚は、どこか廃墟に来た感覚に似ていたのはそのせいだったか。2015年以降も2018、2019年と限定公開されて今年で4回目。

廃墟感と相まって砂地に置かれた中村邦生さんの展示は、どこへ来たんだろうという感覚になって面白かったけど、好みではなかったから写真を撮らなかった。

風の教会内の山城大督さん(☆)の作品は映し出される風景と風の教会の礼拝堂がマッチして、ずっと眺めていたらなにか感じるものがありそうな作品でした。(こちらも写真にうまくおさめられず)


風の教会は十人程度の人が遠巻きに見ているのと、ベンチに座ってしばらく過ごす人で、落ち着いて一定時間過ごせる場所ではなかったけれど、本当はそういうふうにしたい場所でもあった。安藤建築らしい、コンクリート打ちっぱなしで、コンクリートの壁に映る光や影が印象的だった。礼拝堂までのアプローチが、紅葉した樹々を分かつようで、私は好きな風景だった。

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六甲ミーツ・アート芸術散歩2020は大満足のアートイベントでした。

2020年11月23日まで開催されます。

私のつたないレボがこれから行くという人になんらか参考になればいいのですが。

また、行けなかった人、行かなかった人に、場の雰囲気を感じてもらえたら嬉しいです。

長々と続くレポを読んで下さり、ありがとうございました!

 

公式サイトはこちら↓

www.rokkosan.com

 

 

 

 

 

 

 

 

今月のお酒(2020年8月)エッセイ風

今月は自家製完熟梅酒。

なので、なぜ完熟梅酒を作ることになったかを、梅酒にまつわるエピソードとともに、約一年前を振り返って語りたいと思う。


私は梅酒の梅が好きだ。梅の加工品の中ではいちばん好きかもしれない。

母が知り合いから梅酒の梅だけをもらってきたのをはじめて食べたのはいつのことだっただろう。中学生くらいか。


だから、約一年前に梅をもらった時、梅酒にすることに迷うことはなかった。

ただ、そのもらった梅が、青梅ではなく、完熟梅だった。

庭の梅が落ちて困っているから、もらってくれない?

そう言われて落ちた梅を一緒に集めて持ち帰った。

たまたま、私がその時期にそのお宅を訪ねたから。


もらった梅は、私の家の台所で、甘く爽やかな芳香を放った。それはひとときの間、幸せな気分になれるいい香りだった。

ずっとそのまま梅を置いておくわけにはいかない。

すぐにネットで調べた。完熟梅で梅酒はできるのか。むろんできる。


翌日、果実酒用の瓶やリカーなどを買ってさっそく完熟梅を漬けた。


2ヶ月後の写真

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約1年後の写真(飲みはじめて3週間後)

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色が濃くなっていた。

甘みをすこし控えたからか、甘ったるくはなかった。度数の高いお酒特有の鼻に抜ける感覚はしっかりあって、でもあっさりしていた。さらっとしていた。

浸かった梅の実を食べた。

柔らかく、噛めば口の中でほろっとほどけて、芳醇な味。青梅よりも数段おいしいと思った。幸せだ。

もらってきた完熟梅の香りの記憶と一年間漬けたお酒の梅の実の食感と味。いつまで私の中に留めておけるかわからないけれど、残りわずかな梅酒と梅の実を、降ってきた恵のように感じながら、味わいたいと思う。



おふさ観音 風鈴まつりに行ってきました!

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昨年からずっと行ってみたいと思っていた「おふさ観音 風鈴まつり」

やっと念願かなって行ってきました。


7/1〜8/31までの期間、境内にたくさんの風鈴を吊るしてあります。

今回は最近買ったばかりの一眼レフ(中古のニコンD5500)を持って、写真を撮りに行きました。


朝、9時半過ぎにナビに導かれてなんとか第二駐車場へ到着。その時には一台しか車は停まってませんでした。駐車場から徒歩数分でおふさ観音へ到着。風が吹けばいい音がずっと響いています。

曲らしきものも聴こえていて、スピーカーから流されているのかと思ったのですが、それはウインドチャイムのようで、アメイジンググレースの曲が流れるものみたいでした。

iPhoneで撮った動画↓

https://www.instagram.com/p/CDxxheXJfMc/

おふさ観音 風鈴まつり手前の金属のはウインドウチャイムなんでしょうね。アメイジンググレースの曲が流れるらしい。わずかにそんな旋律が聞こえてくる気もします。


境内の奥の方へと行くと、つるバラのアーチに吊るされた風鈴。


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青空を背景に撮りたい。

構図的にはイマイチだけど、風を感じる一枚。

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松の木にいくつか吊るされた風鈴も風情があった。光の美しさが一眼レフって気がする。

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境内にはメダカもいたけど、亀もいた。

小さくてかわいい。

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以下はiPhone6s写真。

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ヒルちゃん風鈴が吊るされていた一帯。


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鉢に飼われていたメダカがたくさん。

これはダルマメダカ?


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松に吊るされていた風鈴


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境内の奥には「円空庭」というお庭がある。


お庭の奥には「茶房おふさ」という喫茶があります。かき氷とソフトドリンクのみですが、たくさんの方が利用されていました。


風鈴まつりの期間中は本堂にある安本亀八作の「生き人形」も見ることができるとのことで、そちらを拝観料をお支払いして見てきました。

「生き人形」は本堂の一角に置いてありました。仏像などぐるりと円周できるように配置して置いてありました。高さ50センチ程度、思ったよりも小さい。とても精巧なつくりで、生き人形と呼ばれるのもわかる気がしました。想像ではもっと怖いものかと思っていましたが、とても上品でうつくしいものでした。

ここはもちろん撮影禁止。

行った人だけが見ることのできる特別感です。


正直、暑かったですが、風鈴のきれいな音色と姿に、夏を感じました。


駐車場までの帰り道、さなぶり餅を買って帰りました。帰宅してからいただきましたが、おいしかったです。





今月のお酒(2020年7月)

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今月は兵庫県姫路市にあるヤヱガキ酒造(株)の「無濾過生原酒しぼりたて 八重垣」を飲みました。


限定生産なので、ロットナンバーつきの札がついてました。

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もっと早い時期に飲めばよかったんでしょうけど、2019年の新酒を今頃いただきました。

ヤヱガキ酒造のお酒は以前に「特別純米八重垣」を飲んだことがあり、とてもまろやかでおいしいお酒という印象でした。


こちらの原酒。やはり原酒ならではの強さはあるように感じました。口あたりの良さは変わらず、とても飲みやすいお酒でした。


八重垣酒造のサイトはこちら↓

https://www.yaegaki.co.jp/sake/