「数奇景 NEW VIEW 日本を継ぐ、現代アートのいま」を見てきました!
阪急うめだ本店にて開催中の「数奇景」を見てきました!
平日、開店してすぐに行ったのもあって、来場者は少なめ。相当ゆったりと見れました。
8つのキーワードにあてはめてアーティストをセクションに分けて展示されていました。
そのキーワードがそもそも素敵。
「あやし」「見立て」「うつろひ」「なぞらえ」「かさね」「ゆらぎ」「今様」「奇想」
それぞれの展示風景を遠景からスマホで撮ってきたので、このあと写真を並べていきます。私の所感は、あくまでも私の所感です。アートはそういうのがいい。
「あやし」の金子富之さんの作品。
大きいけれども細かい。キラキラ光を反射するような絵の具(岩絵具?)を使っておられたりして、写真からは伝わらないので、これは直に見ないとだめな作品。迫力です。
「あやし」の岡本瑛里さんの作品。この世のものではないいきものの、おどろおどろしい感じが迫力でした。
「見立て」の淀川テクニックさんの作品。
ゴミから作られたもの。いろんなものがゴミとなり、それからまた命吹き込まれた作品となる再生のかたち。作品の成り立ちが面白い。
「見立て」の岩崎貴宏さんの作品。壁にかかっているのはチェーン店の看板の模型、模型を立ててある下の部分は広告が層になっています。地層ならぬ広告層。
「うつろひ」の荻野夕奈さんの作品。ピンク色がまず目に入る。平面的なコラージュのような、ぼやけているような不思議な感じ。
「うつろひ」の中北紘子さんの作品。印象的だったのはその立体感。それに圧倒されます。
「うつろひ」の宮本佳美さんの作品(右側)。モノクロームの写真?と一瞬見間違えましたが、絵画でした。不思議な立体感。はっきりしているようで朧げな雰囲気が好きです。
「なぞらえ」の山本竜基さんの作品。なぜか混沌とした曼荼羅のイメージ。自画像の変化がおもしろい。
「なぞらえ」の水野里奈さんの作品。極彩色、多様なモチーフ。ところどころ切れめがあってつながっているのがおもしろい。溢れている感じ。
「ゆらぎ」の宮永愛子さんの作品。ナフタリンでかたどったもの?
凍結して、時を止めた感覚。静けさを感じる。
「ゆらぎ」の赤松音呂さんの作品。器官をイメージして作られたガラスの中に入れてある磁石が回転することでおこる水流の渦。それがたてる音を器官のガラスが音を外へと向かわせる。振動が渦へ、渦から音へと広がるさまがなんとも素敵でした。心地よい空間で、ずっとそこにいたいと思うくらいでした。今回の展示でいちばんのお気に入り。
「かさね」の青山悟さんの作品。プリントした絵の上に刺繍を重ねている。あきらかに異なるものが混じっているのが、おもしろいし、刺繍が刺繍作品ではない効果の一部である妙。
「かさね」の川人綾さんの作品。小さな四角(ドット)のグラデーションがまるで織物のように浮かび上がらせている色彩。近くで遠くで眺めたい作品でした。
会場向かい側で開催されていた展示即売会に飾られていた淡い色合いのものが、私は好みでした。
「今様」の橋爪綾さんの作品。てっきり写真かと勘違いしましたが、絵画でした。隠された顔の一部は匿名性の象徴? 私にはやや理解が難解でした。
「今様」の木村了子さんの作品。
和の伝統的な世界観の中に漫画の世界が入り込んでいるイメージでした。
「奇想」の池田学さんの作品。
今回、私がこの展覧会に行こうと決めたきっかけは池田学さんの絵を見れるということでした。大きな作品ではなく、動物の細密画が中心で、10点ほど展示されていました。生命力を感じさせる絵だと思いました。
展示作品のそばにあるモニターで「誕生」の制作秘話のようなものを映像で流していました。それも良かったです。
「奇想」のteam Labの作品。
タイトルの「世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う」というのが素敵!
作品上部にセンサーがあり、前を通る人の形を作品中にグラデーションとして取り込んで表示していた。その随時表現がチームラボらしい気がしました。
これでひと通り、作品について語りました。
こういった企画展は個展とは違って、今まで知らなかった作家の作品に触れる機会でもあり、裾野が広がるように思います。
今回展示されていた作家さんの作品、私はほぼ初見でした。
すごく気に入る作品もあれば、そうでないのもある。それもまた良し。
阪急うめだ本店9階の阪急うめだギャラリーにて7/8(月)まで。当日券大人800円。